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世界同時株安を招くか?ギリシャの債務危機問題と、日本への影響!?

      2015/11/10

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世界同時株安を招くか?ギリシャの債務危機問題

またか、ギリシャよ

「正直言ってまたか!」と溜息をつきたくなるニュースですね。そうです、ギリシャの債務危機のことです。

もともと2012年に、EUとユーロに加盟しているギリシャ、スペイン、ポルトガルといった国々の債務問題が起きたのが事の発端です(欧州債務危機)。この時には、EUとIMF(国際通貨基金)が資金面でサポートすることで、何とか収束するに至りました。

ちなみのこの欧州債務危機も、ギリシャが巨額の借金を隠していたことが発端でした。

そして同様のことが、今回も起きています。

なぜこのようにユーロ圏では、財政問題が起きてしまうのでしょうか。それは、ユーロ圏では金融政策の運営は欧州中央銀行(ECB)が行いますが、財政の運営については各国に主権が残されているからです。

特にギリシャは公務員が多く、給与や待遇などが非常に厚遇されてきました。この公務員関連の支出が膨れ上がったことが、2012年の債務危機の要因です。

それではギリシャはその後、財政改善のために手を打ったのでしょうか?残念ながらそうは行きませんでした。

それどころか、この欧州債務危機によってギリシャでは失業率が跳ね上がり、治安も悪化したために、観光業界にも大きなダメージが出てしまいました。

そうしたことから景気もよくならず、財政を立て直す余裕がなかったという背景もあります。ただ、ギリシャが財政問題を他人ごとのように考えているのは大いに疑問です。

EUの提案を無視して国民投票を行う首相

2012年以降、ユーロ圏とIMF、ECBがギリシャに資金援助をしてきました。その一方で、EUは財政再建のために増税やコストカットなどを求めてきました。

具体的には付加価値税(日本の消費税に相当)を簡素化してホテル利用などの軽減措置の見直しを求めたり、年金の支給開始年齢を引き上げたり、法人税を上げるといった内容です。

第三者から見ればギリシャの財政危機は、放漫財政を行ってきたギリシャ自身の問題です。それにEUなどからお金を出してもらっている以上は、これくらいの対策は行うべきです。

ギリシャもある程度は前向きに財政改善策を行おうとしていたのですが、国内の反対勢力から不満が出たりしていました。そしてチプラス首相が、いきなり国民投票をする、と言い出したわけです。

国民投票は7/5に行われます。そのため、6月までにIMFへ15億ユーロを返済することはできなくなり、少なくとも延滞になりました。

普通に考えれば、国民から選挙で選ばれているチプラス首相が、率先して財政改革に取り組めば良い話です。しかし、首相はギリシャを積極的に支援しているドイツやフランスなどを裏切った形で、民意に丸投げしてしまいました。

この時点で世界的に株安が起きることになります。日本の東証でも日経平均株価が大きく下落しました。一方で為替は円高になりました。これはユーロが危ないからと売られて、日本円が買われたことによります。

また、商品先物取引では金が値上がりしています。「有事の金」と言われるように、安全資産の代表である金が買われたからです。

ギリシャ債務問題の今後の見通しは

それではギリシャの債務問題は今後どうなるのでしょうか。やはり注目されるのは、7/5の国民投票です。これにより財政緊縮策が可決されれば、時間的なロスは出てしまいましたが、再びEUなどとギリシャが交渉をして、緊縮策を行う一方で資金援助を受ける、ということになるでしょう。

問題は緊縮策が否決された場合です。この場合、ギリシャはEUやECBなどから財政支援を受けられなくなります。そうなると、いよいよお金がなくなり年金などを支払えなくなります。

そこで、ギリシャはユーロ圏から離脱して、もともとの自国通貨であるドラクマを復活させることになりそうです。

ただ、読売新聞にはギリシャの調査機関が行ったアンケートが記載されています。これによると緊縮策を受け入れるべき、と考えるギリシャ人は47%、緊縮策に反対の人は33%です。

実際、首相が国民投票を行うと表明して以降、ギリシャ国内ではひどいことになっています。銀行での預金引き出しが大きく制限され、燃料などの買いだめが起きています。

こんな情勢では、ますますギリシャに行く海外旅行客も減ることでしょうから、経済にとってもマイナスにしかならないと思うのですが…。

そういうわけで、おそらくこの国内の混乱ぶりを目の当たりにして不安を感じたギリシャ国民の多くは、緊縮策に賛成するだろう、と予想します。

そうなれば、とりあえずはギリシャの財政危機は収まりますので、世界経済に与えるマイナスの影響は少ないでしょう。

それでは、緊縮策を国民が否決して、ユーロ脱退になった場合はどうなるでしょうか。確かに債務問題を抱える他の国にも波及する可能性があります。ただ、6/30の読売新聞でフランスの経済学者のジャック・アタリ氏が答えているように、欧州は持ちこたえるでしょう。

なぜなら、逆にユーロ加盟国に財政の健全性を求める仕組みが強化されて、ユーロの信頼性が長期的には高まると予想されるからです。

日本の場合の財政問題とは違う?

というわけで今後の予想ですが、おそらく国民投票で緊縮策が可決されて、なんとかギリシャの債務危機はひとまず収まるのではないか、という予想があります。というか、そうなってくれないと多くの投資家が困ります。

仮に可決されれば、日本株や日本経済にとっても影響は少なくて済むでしょう。そしてギリシャはユーロ圏やECBなどから引き続き財政支援を受けつつ、緊縮策を行うことになります。

一方で、今後同じ問題が起きないように、ユーロ圏各国の財政規律を維持できるような仕組みの強化を講じるべきだと考えます。

まあ、穿った見方をすれば、あえてこうした財政問題を放置してユーロ安に導くことで、ドイツなどが輸出で儲けている、と指摘する声もあるようですが…。

ところで、巨額の借金に苦しんでいるのはギリシャだけではありません。日本も財政悪化が進んでいます。

正直、増税をせずに経済成長だけで財政再建を行おうとしている安倍首相のお考えには、首をかしげてしまいます。このシナリオは、日本がありえないような経済成長を遂げた場合にのみ、実現できるものだからです。

たとえばプライマリーバランス(基礎的財政収支)という、政府の収入や支出を表す数字をまずは赤字からゼロにすることが、借金を増やさないための最低条件です。しかし、プライマリーバランスがゼロになっても、国債費の分は毎年赤字となります。

ということは、借金を増やさないようにするだけでも、大きな税収増か歳出削減が必要になります。経済成長だけでこれを実現するのははっきり言って無理でしょう。

また、2012年にギリシャなどの債務危機が起きた時に、「日本は国債の9割以上を国内投資家が保有しているから大丈夫」という声が聞かれました。しかし、内国債だから問題ない、ということはありません。

実際、バーゼル規制という銀行の規制において、国債をリスク資産と考える規制が導入されそうです。また、日銀の黒田総裁も、財政再建の必要性を認識されています。

というわけで、決してギリシャの債務危機は対岸の火事ではありません。

今後のギリシャ情勢を始め、日本への影響、日本の財政運営などにも注意が必要です。

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